国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン（再改定版）」によれば、賃貸人である管理会社やオーナーが実行するのが妥当としており、退去時の原状回復費用の一部として費用を負担し、退去後に管理会社やオーナーが交換するというケースが多いようです。

しかしもし前の住人が使っていた鍵のそのまま使用していたらどうなるでしょう。鍵交換は法律で定められているわけではなく、一部の管理会社やオーナーは鍵を交換せず、使いまわさないという保障はありません。もちろん賃貸物件を借りている人が退居する際には、その物件の管理会社やオーナーに鍵を返す必要があります。鍵は賃貸物件の一部とみなされているためで、鍵は借りている部屋の備品と見なされます。したがって退去時には鍵を返すことになりますが、前の住人が合鍵を作っているかもしれません。自分以外に合鍵を持っている可能性があれば、室内に侵入できてしまうかもしれないなどの、防犯上のリスクや不安はぬぐえません。

さらに、長年同じ鍵を使い続けることで、経年劣化による鍵の破損や不具合が起こることもあり得ます。劣化した鍵を使用することによって錠前の故障の原因になることもあります。

部屋を借りる人、家を借りる人は、契約または入居時に、まず鍵交換がどうなっているか確認することが大切です。その上で、もし鍵が交換されていなかったり、管理会社やオーナー側にその責務がない場合、賃貸借契約で賃借人が実行する場合もありますが、鍵を交換することには気持ちの面での安心感や多くのメリットがあります。